ムッシュ・フェルマ、起きてください、ムッシュ!
う…うーん…ここは?…
スペイン馬術学校です。
道理で馬糞くさいわけだ…。しかし、なんでまた我々は馬術学校なんかにいるんだ?
ここがオーストリア皇帝の居所であるウィーンのホーフブルク宮殿内であることは間違いないのですが。
宰相府に飛ぶつもりが座標の計算を間違えて少々ズレてしまいました。
?…
それはさておき、ゲームを始める前に今後の大まかな方針について決めましょう。
というと、我らがオーストリアの最終的な目標だな?
その通りです。おそらく戦間期の1920年あたりでゲームが終わると思われますので、あまり時間はありません。
目標を絞っていったほうがメリハリもつくはずです。
ふうむ、ラマヌジャン君の意見は?
私はインド人としてインドの独立を見てみたいですね。
となるとイギリスを相手にしなければいけないが、そもそもこのゲームでインドを独立させられるのか?
調べていないのでわかりませんが、仮にできなかったとしても終了時にインドを占領しておけば、その後インドを解放し独立させたというような妄想による補完は可能です。
それもそうだな。では、インドの占領(可能であれば独立)を我々の目標の一つとしよう。
ありがとうございます。ムッシュ・フェルマのご意見は?
私は将来性のある終わり方をさせたいと考えている。
と言いますと?
21世紀を知る我々にとって、北アメリカは覇権のために是非とも欲しいところだ。中国も切り取りたいがインドの件もあるし、北アメリカとインドを優先させ、可能であれば中国に領域を広げる方針で行こう。
了解しました。すると我々の目標は下記の表のようになります。
優先順位 | 目標 |
1 | インド占領(独立) |
1 | 北アメリカ占領 |
3 | 中国占領 |
うむ、これで問題ない。ようやくゲームを始められるな。
長かったですね。それでは状況を確認しま…
カール5世である。
!?
?!
神聖ローマ皇帝カール5世である。
ラマヌジャンです…。こちらはムッシュ・フェルマです…。
ラマヌジャン君、大変だ、馬がしゃべっているぞ!
ムッシュ・フェルマ、落ち着いてください、顔が長いだけでれっきとした人間です。この方はどうやら16世紀にハプスブルク家に君臨していた皇帝陛下のようです。
神聖ローマ帝国、スペインとその植民地を支配した世界帝国の主、スーパーラッキーエンペラーか。
その通りです。して、陛下、どのようなご用向きで?
復興したまえ。
復興…ですか?…
そうだ。神聖ローマ帝国のすべての領域及びスペインを占領し復興することを命ずる。
……ムッシュ・フェルマ、やはりこれはただのしゃべる馬だったようです。
何を言ってるんだ、ラマヌジャン君、君こそ落ち着きたまえ。第一に馬はしゃべらないし、第二にこれは人間だ。
すみません、あまりにも無茶な注文がついたので、気が…。
大丈夫だ、ほら、ここで水を飲めば落ち着きを取り戻せるだろう、さあさあ。
ここ、馬の水飲み場じゃないですか…。
余は世界を回って有用な情報を集めてまいる。神聖ローマ帝国復興の件、ゆめゆめ忘れるでないぞ。カール5世である。
これは大変なことになりましたね…。
神聖ローマ帝国の版図を占領するだけでもプロイセンをはじめとしたドイツの国々とオランダ、ベルギー、スイス、北イタリアの諸国とフランスを相手にしなければいけないぞ…。
それにスペインもです。北アメリカ占領とインド占領もしなければいけませんので無茶な話です。
うーむ、だが、しかし、良く考えると、なんとかなるのではないか?
その楽観主義はどこから湧いて出てくるんですか。
いや、なに、失敗しても誰に怒られるわけでもないということだよ。
そっちの、なんとかなるですか…?
そうだ、たとえ失敗したとしても初回プレイとリロードなしというCasus beliを前に誰が文句を言えようか?いや、言えまい。
それもそうですね、なんだかそんな気がしてきました。
というわけで、ようやく目標も決まったな。
優先順位 | 目標 |
1 | インド占領(独立) |
1 | 北アメリカ占領 |
1 | 神聖ローマ帝国の版図占領 |
4 | 中国占領 |
かなり大それた目標ですがVery Easyですし、案外なんとかなってしまうかもしれません。
アルゼンチンがな。
はい?
アルゼンチンの牛がとても分かりやすかった。
はあ…?
というわけで状況を一つ一つ確認していこう。まず我がオーストリアの生産体制だが。
石炭、穀物、ウール、フルーツ、牛肉などを主に生産しているようですね。鉄の生産も豊富です。
工場はまだないが、どうも色々なAARを拝読するに工場は大切らしいから、早期に建設したいものだ。
工場建設画面にカーソルを合わせると政治体制が工場建設を許可していないようです。
どうやら政治体制に関係するようだ。チェックしてみよう。
了解です。
我々はオーストリア皇帝を元首とする絶対君主制のようだ。
上院はメッテルニヒ党が権力を握っているようです。
メッテルニヒ党って、なんだ?
Metternich's Factionを無理矢理に訳してみました。
なんだかよくわからないな。
我々が唯一わかっていることは工場を作るためにはNeo-Absolutistsに変更するしか選択権がないということです。
調べてみると史実では1849-60の間のオーストリアの政治体制のようだ。
ブリタニカのオーストリアの項にそれらしき記述がありましたが、説明が難しすぎて良くわかりません。
分からないとしても選ぶしかないだろう。小難しいことは官僚どもに任せておけばいいさ。
了解です。Neo Absolutistsに変更しました。
おお、工場が作れるようになったぞ。
やりましたね。
うむ。工場は人口が多いところに作ると良いらしい。しかし、何を作ればいいのやら。
上から順に作ればいいですよ、こんなものは。
意外と大胆だな、君は…。
というわけで、人口の多いボヘミアに現金の許す限り適当に並べてみました。高級服、高級家具、セメント、ガラス、鋼鉄、ワイナリーと蒸留酒の醸造所です。
建設完了日を見る限りだと同時に建設できるようだな。
そのようですね。
ところで、君が工場を選んでいる間に私は予算を組んでいたのだが、大変なことが起きた。
もしや予算的に苦しいのですか?工場を建てすぎたのは失敗だったでしょうか…?
いや、そうじゃない、これを見てくれ。
Oh…
税金を最小にしても1日644£の大黒字だ。
さっきセメント工場が330£ぐらいだったことを考えると、1日にセメント工場が2つ建つ計算です。
100年後にはセメント工場が7300棟建つな。
そんなにセメントは必要ありません。
そうか…。
Tradeはまだ良くわかっていないので、しばらくAIに任せる予定です。なにか問題が起きたら改めて考え直しましょう。
了解だ。
外交はどうしましょう?
海軍力をつけない限り、海で大国と戦うのは無理だ。インド奪取のためにイギリスと戦うのは最後の最後になるだろうし、大陸で自由に動き回るためのバックアップとしてイギリスと同盟を結びたいが、君はどう思う?
おっしゃる通りだと思います。基本的には、まずはヨーロッパで旧神聖ローマ帝国の版図を切り取りつつ海軍力を蓄える作戦で行きましょう。
そうだな。イギリスとは現状では仲が悪いようなので徐々に友好度をあげつつ可能であれば同盟を狙っていこう。他国との関係は追い追い考えていく。
了解です。
あとは技術だが…。
ムッシュ・フェルマ!ムッシュ・フェルマ!こんなのがありましたよ!!
なんだ、これは?
ドラグーンが作れるようになるんですよ、ドラグーン!
うむ…?
私は竜騎兵フェチですので、これにしましょう!!
いや、だが、しかし、ラマヌジャン君…?
いいですよね!!!
あ、あぁ…(人それぞれフェチというのは奥深いものだな。)
あれ?…なぜ写真が気球なんだ…?うーん…?
次回、ようやく時が動き出します。