日本語版
ver2.31
1.南ドイツ建国
VIC2で南ドイツを見たことがない人は、多いと思う。オーストリアの南ドイツ建国イベントを発動させれば
いいのだが、筆者の遊んでいる日本語版だと、イベント発生条件に意味不明なことが書いてあり、
どうすれば発生できるのかわからないからだ。
いろいろ試したところ、バイエルンの左にある1州だけプロイセン領になっているところを入手すれば
いいことがわかった。
今回は南ドイツでプレイするのが目的なので、ゲーム開始直後に最短ルートで建国を目指す。
やり方は・・・
①オーストリアで始める。
②プロイセンに宣戦布告。
③いったんゲーム中断。セーブデータを使ってプロイセンから再開。
④ステート割譲要求を飲んで、南ドイツの土地をオーストリアに渡す。
⑤セーブして、もう一度オーストリアから再開。
⑥南ドイツ建国が可能になっているので建国する。
⑦またゲーム中断して、南ドイツでゲーム開始。
この方法だとオーストリアに汚名10点がついてしまうが、AIのオーストリアは、少なくともゲーム序盤は
平和主義なので、汚名が増えても問題ないと思う。MODを使うことができるならば
もっといいやり方があるのかもしれないが、使えないのでしかたがない。
気になる南ドイツの実力だが・・・とりあえず、識字率がすごい。80%もあり、スエーデンやハワイと
ならんで世界一位タイである。初期保有技術もオーストリアを引き継ぐので、やはり世界トップレベル。
技術力では間違いなく世界最強だ。
工業の動力LV2がある影響だと思うが、財政もかなり豊かだった。人口も1M以上で、ほぼ全員が主流文化の
南ドイツ人と理想的な状態である。初期保有の兵士数が少ないが、これは軍事費を上げればカバーできる。
唯一の欠点は、内陸国であること。港のある州が一つもない。隣国はフランス、プロイセン、
オーストリアと列強が揃っているので、戦争なんてとても無理。どこでもいいから港のある州を手に入れるのが
緊急の課題である。
2.南ドイツ、倒産する 1836~1860
白状すると、筆者はここ最近VIC2を遊んでいなくて、別のゲームをしていた。
久しぶりにやったので、なにをすればいいのか完全に忘れている。
とりあえず聖職者と官僚の給料をMAX、税率や関税を国家収入が赤字にならない程度に引き上げる。
ついでに国力集中を官僚にして、研究で教育効率の上がる研究を始める。
・・・後でよく考えてみれば、最初から識字率80%あるのだから、教育効率を上げなくても良かったかもしれない。
でも、今まで識字率の低い国で遊ぶことが多かったので、そのくせでつい選んでしまった。
次に、やるべきことは港の確保。南ドイツは内陸国なので、どうしても港のある州が欲しい。
さて、どこと戦争しようか・・・と考えていると、戦争できないことに気付く。教皇領や両シチリアあたりがいいな、
と思って外交タブを見ていると、宣戦布告の口実作成のボタンが灰色で、クリックできない。
それどころか、他の全ての外交ボタンも灰色のままだ。調べてみると、南ドイツはオーストリアの属国状態なので、
他国とは戦争できないらしい。
しかたがないので、当面の目標を、港の確保から属国状態解除に変更する。南ドイツはそこそこ軍事力も
ある国だが、オーストリア相手に独立戦争するのは難しい。ここは高い技術開発力を生かして美学を一番乗りで開発し、
文化力(国威)で大国化するのがいいだろう。シューベルトな天才音楽家の力で大国になるというのも、
悪くない。
・・・でも、途中で気が変わり、やっぱり工場を建設して工業点で大国化を目指すことにした。いや、特に理由は
ないのですが、強いて言えば以前のプレイでバイエルンが大国入りしているのを見たことがあるので、
人間がこまめに手動操作で工場を建てれば、簡単に工業点が溜まって大国になれるような気がしたのです。
そういうわけで、工場の建設を開始。税金を高めに設定して建設資金を稼ぎ、衣服や家具など目に付いた工場を
全種類建設してみる。数年後、建設が完了して工業製品の生産が始まる。ただし、どの工場も赤字。補助金無しだと
即操業停止になる危うい状態である。
そういえば南ドイツで産出される資源はなんだろー、と思って調べると、実は工業の原材料になる資源は
何も産出されないことが判明した。かろうじて丸太が取れる州が1つあるだけで、それ以外は全部食料品。
綿花や羊毛すら産出されない。筆者は南ドイツはドイツなのだから、石炭が取れるだろうと思い込んでおり、
工場建設前に国内で採取される資源を調べていなかったのである。しかも、序盤はどんな資源も不足気味で、
国際市場で売買されないから、せっかく建設した工場は原料不足でなにも生産できない。ただ工場で雇用した
工員POPへの給料だけは国家からの補助金で支払い続けるので、倒産しない。結果として、赤字続きの
工場を税金で支えるという、まるで現代日本の第三セクターみたいな状態になる。
後から考えれば、ここで補助金を打ち切り、工場を潰すという選択肢もあった。工業点をあきらめて美学研究
に切り替えることもできたのだが、せっかく建設した工場がもったいないと思い、そのまま補助金を出し続ける。
すると・・・なんだか、工員がものすごく増加する。1940年代には国内全体でも1000人以下だったのに、1950年には
たしか10000人ぐらいに増えた。それにつれて、国家の補助金もみるみる増加する。1950年になると、基本的な原材料は
国際市場で売りにでるようになったが、染料がぜんぜん足りないので、基本的に紡績業は何も生産できない。
紡績業以外の工場でも、生産はできるが需要が全然ない製品なので、生産しても国内で消費しきれない。
大国のような影響範囲をもたない南ドイツは、国際市場で商品を売ることもできない。結局、作った製品は
ゲーム外のどこかに捨てられて、赤字として計上される。その赤字分は税金(産業補助金)で穴埋めされるので、
国家財政がものすごく、ものすごく悪化する。
たちの悪いことに、南ドイツの列強順位は9位で、あと20点増えるだけで8位のオランダを追い抜くことができる。
なので、国家補助金を打ち切る踏ん切りがつかず、ずっと赤字状態の工場を支援し続ける。
で、がんばったのだが・・・
結局、それ以上補助金を出し続けたら破産ぐらいに工場の赤字額が膨れ上がり、しかも
列強順位でオスマントルコに抜かれて10位に後退したため、方針を変えざるを得なくなった。
政党を自由放任主義に変えると、補助金が全額カットされ、国家財政が劇的に改善される。その代わり30年かけて
建設した工場群はほぼすべて壊滅。大量の失業者が生まれる。ときどき資本家が建設費の安い軽工業を建設するが、
すぐに赤字で倒産するというせわしない状況になった。
・・・ええと、これがいわゆる恐慌というやつでしょうか?それとも、経済政策に失敗した無能者?
3.軍事力で大国化する 1860~1870
工業点で大国になるのをあきらめ、美学研究も他の国に取られている。そもそも大国になるのに必要な
点数が100点ぐらい(8位の国との差)なので、美学だけでは全然足りない。残された道は軍事点を可能な限り
稼ぐことである。
政党を好戦的な政党にして軍事予算をMAX90%に増やす。ついでに国力集中を兵士増加に変更する。
すると、それまで作成可能なユニット数が20ぐらいだったのが、みるみる増加して、たった数年で60ユニットぐらい
生産可能になる。実は南ドイツは最初から高度な医療福祉制度を採用しているので、国内人口が非常に多い。
でも所有している州が少ないので、RGOから溢れた農民や労働者が大勢いたようである。倒産した工場から溢れた
大量の失業者もいて、全部で10万人ぐらいの工員POPが路頭で迷っている。そこに兵士への転職を奨励したので、
一気に兵士が増加した・・・のだと思う。
この辺り、VIC2のルールがどうなっているのか、よくわからない。
とにかく数年で兵士数が一気に膨れ上がり、いきなり南ドイツはヨーロッパでも有数の軍事大国となった。
隣国のフランス・北ドイツ・オーストリアには負けるものの、イタリアにはユニット数で勝っている。
1960年代の後半だったと思うが、軍事点が異様に高くなった南ドイツは、ついに列強順位を8位に上げて、
大国として認められた。同時にオーストリアの属国状態が解除。自由に外交できるようになる。
さっそくどこかの非文明国と戦争しよう・・・と思ったが、実はまだ無理なことに気付く。
南ドイツの隣国はフランス・北ドイツ・オーストリア・スイスなのだが、それらの国々が軍の通行許可を
出してくれないのである。友好度は一生懸命に上げてどの国とも高いのに、通行許可がもらえない。
じゃあ隣国と戦争することも検討したが、それらの国々はいずれも複雑な同盟関係を結んでいる。
いくら南ドイツが軍事力に傾注したとはいえ、ヨーロッパの列強国を複数相手に戦うのは無理である。
というわけで、南ドイツはかなりのユニットを国内に抱えているにもかかわらず、使い道のないまま
放置するしかなかった。
4.他国の動向 1936~1870
当時の世界情勢も書いておく。イギリスは凶暴で、アメリカと積極的に戦争している。
でも基本的にイギリスのほうが劣勢なので、すぐに白紙講和する。列強順位では2位のフランスを
大きく引き離して、ダントツトップ。工業点がすさまじく大きく、まさに世界の工場状態である。
アメリカはイギリスからの妨害にも負けず、南北戦争を無事終了させて、順調に国力を伸ばしている模様。
ときどきメキシコと戦争して中核領土を回収しているが、それ以外の国とは積極的に関わろうとしていない。
オーストリアは空気状態で、何もしていない。オスマントルコもときどきエジプトと戦争しているが、
ちょっと中核領土を回収しただけで、まだ大量の中核州がエジプト領のまま。ロシアに襲われたわけでもないのに
なぜか列強順位が下がり、順大国に転落している。なので、大国の8位の座は、スエーデンとオランダが
奪い合う状況である。
今回のゲームで積極的なのはフランスと北ドイツとロシア。北ドイツは1940年代にいきなり普仏戦争を
おこして敗北。白紙講和した後で北ドイツを成立させる。でもその後にロシアと戦争になった。ロシアは
フランスとも同盟していて、北ドイツは東西から挟み撃ちにされる格好になった。
実はこの戦争、最初は挟み撃ちされているにもかかわらず北ドイツが優勢で、ロシア領を少し占領していた。
でも筆者がごはんを食べるためにいったんゲームを中断して、少し前のセーブデータから再開すると、
今度は北ドイツが大敗した。結局東プロイセンがロシアに取られる。ごめん、北ドイツ。私がごはんを食べたために
こんなことになるなんて・・・
フランスは植民地獲得に超積極的で、モロッコとソコトがフランス領になった。
そのほかにも、ポルトガルが破産したときには債権回収戦争を起こし、スペインへ戦争をふっかけて、
イベリア半島の東側を奪ったりしている。汚名が上がっていないから、イベントで
ステートを得るの口実を貰ったのだろうが、傍目にはフランスがスペインを侵略したようにしか見えない。
1870年代にはアフリカへの植民が始まり、勝利したのは北ドイツとフランス。北ドイツは一番早く
植民を開始したらしく、ソコト南にあるアフリカで一番豊かな地域を植民地としている。一方、フランスは
北アフリカの大部分と、コンゴが建国されるはずの密林地域一帯を植民地とした。領土の広さで言えば、フランスが
一番たくさん得て、北ドイツが二位である。イギリスは南アフリカと陸続きの土地を少しだけ植民地にした。
ほかにはスペインが北アフリカの砂漠に植民しただけ。結局アフリカは北ドイツとフランスによって
分割統治される状態となった。フランスによる植民地化があまりにも急速だったため、コンゴ建国イベントは
発生しなかった。
なお、アフリカ植民地獲得競争のころ、南ドイツは大国ではなく、そもそも港が届かないので、
競争に参加することができなかった。
5.スエズ運河の獲得 1870~1880
南ドイツは大国になったので、他国を影響圏に加えることができる。拡張戦争することができないならば、
せめて影響圏に加える国を多くしようと思い、めぼしい国を探す。
その結果、影響圏に加えておいしい国がたくさん残っていることがわかった。ダイナムやエチオピアが
どこの大国の影響圏にも入っていないのはいつものことだが、そのほかにも満州やペルシアが残されている。
こういう人口の多い国を影響圏に入れれば、工業製品を売り込む市場を獲得できるかもしれない。
そういうわけで、めぼしい国に影響力を割り振って次々に影響圏に入れていく。なぜか他の大国は邪魔してこない
ので、作業は非常にスムーズに進んだ。満州を影響圏に入れるときだけロシアが邪魔してきたが、それ以外には
一切妨害がない。
1970年代が終わるころには、南ドイツは海軍を一切もたないにもかかわらず、世界中の国々を影響圏に収める
ことができた。市場を獲得したためか、国内の工場も少しだけ成長し、失業者が減った気がする(あくまで
気がしただけで、体感できるほどではなかった。)
満州を勢力圏に入れたあたりで、次はどこにしようと思っていると、エジプトがどこの影響圏にも
入っていないことに気付いた。外交画面から確認すると、いろんな大国がエジプトへの影響力を上げようとして
邪魔しあい、結局どこの国の影響圏にも入らない泥仕合が続いているらしい。
少し迷ったが、もう人口の多いうまみのある国がエジプトしか残っていないので、南ドイツもエジプト
獲得競争に参加することにする。
・・・すると、なぜかあっさりとエジプトを影響下に収めることができた。理由は不明だが、きっと
急速に軍事力を拡大させる南ドイツと衝突することを、他の大国が嫌ったのだと脳内変換しておく。
エジプトを影響下にすると、スエズ運河建設イベントを発生させることができる。南ドイツは内陸国なので
海軍技術はほとんど持たないが、万が一のためと思い造船だけ開発していたので、イベント発生条件は
満たしていた。ボタンをクリックすると、無事運河が建設され、スエズのある部分だけ南ドイツの領土となる。
もちろん、スエズは海岸線の土地なので、港を持っている。おお、戦争せずに港を手に入れた!
すごい外交的勝利ではありませんか!
めっちゃ喜んで、さっそく輸送汽船をたくさんと、護衛用に巡洋艦を少し作る。これで、念願の海外植民地
獲得に乗り出すことができる。
実はスエズ獲得したとき、アフリカの角(アフリカの東側、イエメンの南側にあるとんがった海岸線)が
まだ空白地帯だったので、ひょっとしたら植民できるかも、と思いスエズに港を建設してみる。でも一段階の
港では角に届かず、二段階目の建設をしている最中に北ドイツの植民がはじまってしまった。
まあ、あの辺りは特に豊かな地方ではないから、問題けど・・・
6.シナイ半島を侵略する 1880~1890
港をもち、輸送船を手に入れたので、どこを侵略・・・じゃなくて、地元住民を文明化するための
保護政策を行うか、検討する。でも、めぼしい国はすでに自国の勢力圏に入れている。そもそも1870年代
はになると、最初は非文明国だった国でも、文明国に変化することがあり、文明国を併合するには
汚名増加量の大きい征服の口実を使うしかない。この口実を使ってまで併合したい国なんて、そうざらにない。
どこの大国の影響圏にも入っていない非文明国で少しでも国力増強に役立つ場所・・・いろいろ
さがして、シンドとヒジャーズが目に付いた。どちらもたいして豊かな国でないのはわかっているが、
それ以外の非文明国だともっと征服する価値のない国々ばかりである。
しかたがなく、とりあえずヒジャーズを征服しようと決め、保護国化するの口実作成を行う。
・・・残念ながら、口実作成はボタンを押してからわずか10日後ぐらいにばれて、汚名10点以上をもらった。
前のバージョンの口実なしで戦争するより増加量が増えたことになる。やっぱり侵略戦争は良くないと反省しつつ、
口実作りを終えたので輸送船を送り出す。
戦争の経過は省略。陸軍技術を開発可能な限界まで上げた南ドイツ軍と、いまだに非文明国で非正規兵しか
生産できないヒジャーズとでは、まるで勝負にならなかった。砂漠による消耗も、工業の化学分野が
伸びているので障害にはならない。簡単に全土征服して併合する。
次に、ヒジャーズの陸続きだからというだけの理由で、イエメンに宣戦布告。こちらもヒジャーズ同様、
簡単に勝利して、併合する。なお、このときの汚名増加量は5点ぐらいだった。
勝利したとはいえ、どちらも砂漠地形ばかりの荒れ地なので、あまり国力増強には役立たない。
せいぜい、増加しすぎて南ドイツ本国には置き場所が無くなってきたユニットを置く避難場所程度の
役割だった。
実際には、医療改革で急激に増加した南ドイツ人がこの地域へ大量移住したので、本国ステート化と
中核化が進み、南ドイツ本国と同じぐらい工業化の進んだ地域になるのだが、それはゲーム後半の話。
占領した直後は、シナイ半島なんて砂漠だらけの荒野にしか見えなかった。
まあ、海岸沿いの州が手に入ったので、海軍を作成する程度ならばできるかもしれない。スエズだけだと、
海軍大国と戦争になって海上封鎖されたとき、いきなり封鎖率が100%になってしまう。そういう意味では、
内陸国であったほうが防御しやすいともいえた。
7.第一次世界大戦 1890~1900?
イエメンを征服して、次はオマーンかネジドを征服しようと考えていたころ、同盟を結んでいた
フランスから軍の通行許可を求めるアイコンが出てきた。AI国は通常、戦争中でないと要請をしない。
あれ、フランスはどこと戦争しているのだろう・・・
外交画面を見ると、フランスはものすごく大量の国々と戦争していた。イギリスが敵国なので、
インド諸国も参戦しており、国旗が重なりすぎてどこが敵国なのか分からない状態である。
いろいろ調べたところ、どうやら北ドイツがロシアのなんとか地方割譲要求を出して、それに反応した
国々が二陣営に分かれて参戦しているらしい。主要参戦国は次の通り。
北ドイツ側:北ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、南ドイツ
ロシア側:イギリス、オーストリア、ロシア、オスマントルコ、ベルギー、ブラジル
ぬを!ついに世界大戦が始まったか。セーブデータがないので年代がよく覚えていないが、
毒ガスがなかったから1890年ぐらいに開戦したはず。史実より20年早く世界大戦が
始まったことになる。
もちろん南ドイツも参戦。これはオーストリアをたたきのめす絶好のチャンスである。
ずっと前からオーストリアで産出される石炭や鉄資源を手に入れられれば、工業化の役に立つと思っていた。
国内に産出地を持たない南ドイツは、それらの資源を全て輸入に頼っていたのである。
でもオーストリア単独ならともかく、その同盟国全てを敵に回すと勝ち目がないと思い、あきらめていた。
今ならば、ロシアやイギリスは他の列強と戦うのに忙しく、オーストリアへの援軍を出す暇はないだろう。
できれば世界大戦に北ドイツ側で参戦したかったが、VIC2では戦争中の陣営に参加するには戦争指導国と
同盟を結んだ上で、指導国側から参戦要請を出さないと参加できない。今回の場合、北ドイツが南ドイツと
同盟を結ぼうとしないので、参戦は無理だった。
しかたがなく、オーストリアに屈辱を与えるの要求で単独宣戦する。口実作成を終えて宣戦布告すると、
イギリスとロシアはオーストリア側に味方する形で参戦はしたものの、援軍は出さなかった。
世界大戦の戦況が北ドイツ陣営に有利なので、ロシアはオーストリアを援護する余裕がないのだろう。
イギリスは大海軍を所有しているものの、南ドイツは基本的に内陸国なので、イギリス海軍がどれほど
強くても怖くない。シナイ半島とかスエズにはイギリスの兵士が上陸してきて占領活動を始めるが、
要塞を建てているから占領には時間がかかるはず。占領されたとしても、そんな辺境を占領されても
ちっとも困らない。オーストリアは本来大国なのだが、北ドイツとの戦争初期に敗北したらしく、
軍隊があまりいない。
そういうわけで、ほとんど戦闘らしい戦闘もなく、南ドイツ軍が何の抵抗も受けずにオーストリア領へ侵入し、
占領活動を行うだけの塗り絵ゲームになる。フランスやイタリアも陸軍を出してオーストリアの各地方を占領
しているから、どの国が多く占領するか競争になる。
結果として、ロンバルディアやベネチア地方はイタリアが占領して、クロアチアはフランスが占領、それ以外を
南ドイツが占領することになった。北ドイツはロシアとの戦争に忙しいらしく、そちら方面では大量に
占領しているもののオーストリアにはほとんど陸軍を出していない。
陸軍が壊滅したオーストリアは毎月のように和平交渉を行うが、南ドイツはもちろん他の国々も講和に
応じようとしない。たぶん、占領地をできるだけ増やして有利な講和条件を結べるまで戦勝点を増やしたいのだろう。
なんと浅ましい行動だろう、と思わなくもないが、自分も同じことをしているのだから文句は言えない。
そうこうするうちに、筆者はマップを政治モードにして見ているのだが、いきなりオーストリアの色が赤茶色
に変化した。オーストリアハンガリー二重帝国の誕生である。国内の大半を占領されたオーストリアでは
急進性が高くなったので、建国条件を満たしたのだろう。
結局、イタリアがロンバルディアを取り、フランスはクロアチアを取る形で大戦は終了した。北ドイツは
ロシアのなんとか地方(ポーランド領になっているところ)を取っている。戦争は、北ドイツ陣営の大勝利である。
もちろん大戦条約が発動されるから、賠償金の支払いもある。
南ドイツはボヘミアを欲しかったのだが、それには戦勝点が足りなかった。ロシアやイギリスが参戦している
せいで、いくらオーストリア領を占領してもあまり戦勝点が増えないのである。仕方がないので、
戦争目標を追加するときには、ヴィーンの南側になるなんとか地方を要求した。そこは三つしか州がないが、
鉄鉱山と炭鉱が集中する超豊かな領土だったので、まあまあ努力に見合う戦果だったと思う。
大量の州を奪われ、大戦条約で陸軍作成もできないオーストリアハンガリーは、列強順位が14位まで後退。
準大国に転落した。しかも、陸軍がいない隙を見て、スイスがオーストリアハンガリーに宣戦布告。
チロル地方(スイスの東側)をオーストリアから奪った。おいおい、永世中立はどうしたんだ?
もっと悲惨なのはロシア。列強順位が17位以下に落ちて、普通の文明国に転落。しかも国内で共産主義者が
反乱を起こしたのだが、大戦条約で陸軍を作成できないので、反乱を鎮圧できない。
首都サンクトペテルブルグが共産主義者に占領されたまま一年が経過し、まさかのソビエト連邦が建国される。
というか、ソビエト建国なんてイベントがあるのは、この時初めて知った。確かに当時の一大事件だから
VIC2に歴史イベントとして組み込まれていてもおかしくないが・・・
ついでに、理由は不明だがウクライナがロシアから独立していた。外交画面から見る限りでは、人口もまあまあ多く、
実力派の中堅国といった感じの国である。
8.普仏戦争(南ドイツ版) 1900年代
オーストリアの鉄、石炭産地を手に入れて講和したら、いきなり国家財政が好転した。
工場の財政状況も好転し、それまで赤字ですぐ潰れていた各種工場が黒字を出すようになる。
実際には、戦争前から関税を0%にしていたので、外国から輸入する場合と国内で産出された資源を利用する場合
とで、VIC2のルール的には変わりがないような気がするのだが・・・
これに味をしめた筆者は、次の領土獲得先はうまみの少ない非文明国ではなく、産出資源の良いところを
厳選して狙うことにする。
目標は・・・フランス。フランスは軍事力の強い大国だが、同盟国がスイスとスペインだけなので、
宣戦布告しても一騎打ち状態に持ち込める。一騎討ちならば、南ドイツもかなりの陸軍大国に成長しているから、
うまく戦えば負けない、というもくろみである。
このときの南ドイツのユニット数は200を少し超えるぐらい。全部歩兵と砲兵である。フランスも同程度の
陸軍を持っているようだが、アフリカやその他地域に分散しているだろうから、実際にヨーロッパ本国にいる
陸軍ユニットは少ないだろう。動員で歩兵が増えるだろうが、こちらも動員すれば同程度の歩兵を出せる。
というわけで、オーストリア戦で消耗した兵士が回復するのを待ってから、フランスとスイスの国境線に
張り付かせる。準備が整ってから、フランスに宣戦布告。第二次普仏戦争のはじまりである。
戦争を初めてから、しばらくなにもせず見ていると、フランスとスイスが動員して出した歩兵が、
わらわら集まってきて、南ドイツ領に侵入した。さすがフランスは強国で、全部で100K以上の大群と戦闘状態に
なる。でも、こちらは防御側なので、塹壕修正がある。それに要塞LV3~4を建設しているので、その防御修正も
ある。最前線の後方には戦略的予備が控えていて、前線部隊が消耗したらユニットの入れ替えもできる。
危なげなく100Kのフランス軍を撃退し、その後の追撃戦で包囲せん滅することができた。
主力部隊をせん滅した後はただの塗り絵ゲームで、南ドイツ軍が次々とフランス領を占領する。
うまくいけば高得点の戦勝点をためることもできる状況だったが、以前の戦争の影響で汚名が14点なので、
あまりたくさん戦勝点をためても使い道がない。ほどほど占領したところで、アルザスロレーヌ地方と
フラッシュコンテ地方を割譲させて講和する。どちらも南ドイツで不足している石炭や鉄を産出する重要地方である。
詳細は書かないが、その後第二次普仏戦争も行い、そのときも塹壕修正と要塞防御を生かしてフランス軍を
消耗させて、勝利した。そのときに得たのはブルゴーニュ地方。やはり石炭を産出する豊かな地方である。
9.ドイツ建国に失敗する 1900~1920
この辺りで年代が1900年代。南ドイツはドイツ文化の国家なので、ドイツ建国イベントを発生させることが
できる。ゲーム開始当初はどうでもいいと思って無視していたが、この時期あたりから気になりだした。
やっぱり、南ドイツでゲーム終了するよりも、ドイツ帝国で締めるほうが格好いいのではないだろうか?
そう思い、まずソ連の占領されている東プロイセン領を攻撃する。汚名は23点とひどい状態だが、
東プロイセンならば中核州を割譲させるの口実が使えるので、汚名が増えない。
当時、北ドイツと同盟を結んでいたのだが、ちょうど都合よく北ドイツがソ連のなんとか地方を
割譲要求して、同盟参戦の依頼をしにきたので、参戦することにする。南ドイツはもちろん東プロイセンの
割譲要求を行う。
この時の南ドイツのユニット数は、あまり覚えていないが、とりあえずたくさん。大戦条約が終了して
国家再建が始まったばかりのソ連は全く敵ではなかった。北ドイツと一緒にソ連領内へ侵攻し、各地を占領する。
ここでハーツオブアイアンシリーズならば冬季戦をどうするという問題が発生するが、VIC2には季節の概念が
ないので、冬だからといって補給網が寸断されたり、凍死者が出るおそれはない。結局、ほとんど抵抗を受ける
ことなく占領が進み、東プロイセン割譲に必要な戦勝点が溜まったところで講和する。
これで、ドイツ帝国建国に必要な領土は全て北ドイツと南ドイツが分割して所有することになった。
あとは、北ドイツをどうするかだが・・・
北ドイツを列強から追い落として影響圏に入れるのは、まず不可能。アフリカ植民の影響で、
国威が高すぎる。それ以外を全部0にしても、まだ大国の地位を確保するだろう。かといって、
北ドイツ全土併合も不可能に近い。
なので、覇権を認めさせるの口実で、北ドイツに宣戦布告する。これに勝利すれば、戦争勝利の当日だけ
北ドイツが影響圏に入ったのと同じ扱いになるから、タイミング良くボタンを押せばドイツ建国できるはず。
そのとき北ドイツはドイツ帝国の領土に入らないが、北ドイツ全域がドイツ帝国の中核州となるので、
回収するのは容易である。
で、実際にやってみた。フランス戦でやったのと同じく、国境沿いに兵士をはりつかせて塹壕修正を最大まで
付けてから宣戦布告。AIは陸戦がへたくそなので、塹壕修正のついた部隊に突撃してくる。そこを返り討ちにして
いるうちに、戦闘勝利による戦勝点だけで、覇権を認めさせるの条件で講和できるようになった。
ところが、どういうわけか講和してもドイツ建国イベントを発動できない。おかしい、以前はこれで建国できた
のだが・・・戦争勝利の当日だけ実行可能なんてバグっぽい動作だから、バージョンが変わったときに
修正されたのかもしれない。
結局、対北ドイツ戦はルクセンブルクの影響圏を奪っただけで、ほとんど戦果を得られないまま終了することに
なった。
なお、戦後に北ドイツが再び同盟を求めてきたので、了承する。実質、戦争前と変わらない状態に戻ったことになる。
10.ゴム産地を求めて 1920~1925
時代が1910年に入ったあたりで、ゴム産地が欲しくなった。ゲーム後半になると自動車や電子機器など、
いわゆる重工業の商品が生産できるようになる。投資に必要な金額は大きく、工場建設にかかる時間も長いが、
軽工業の製品に比べると利益が大きいのが特徴である。というか、軽工業の製品はどの国でも大量に生産される
から、ゲーム後半になると供給過多になり、全然利益を得られない。自動車やラジオならばゲーム後半でも
供給不足だから、作れば作っただけ売れる。
ところが、それらを生産するにはゴムが必要であり、ゴムの産地は限られている。後半に工業点が増えるかどうかは、
ゴム産地をどれほど多く確保したかによって左右される。
一番たくさん産出するのは、アフリカ大陸。ソコトの南や今後、エジプト南部に大量のゴム産地がある。
それ以外だとインドネシアやブラジルのアマゾン流域にもゴム産地がある。でもインドネシアの
ゴムは量が少ないし、ブラジルは文明国なので手に入れるには汚名を増やさなければならない。やっぱり
ゴムの本場はアフリカである。
アフリカは北ドイツとフランスに独占されているので、ゴムもこの二国が独占供給状態である。
南ドイツはアフリカ植民地競争に参加しなかったので、ゴムの国内生産量は0である。
今からゴム産地を手に入れるためには・・・フランスと戦争するしかない。
そういうわけで、汚名が14点まで下がったところで、ゴム産地入手の戦争を行う。当時の南ドイツは軍事ユニットを
300程度保有しており、逆に本国の一部を奪われたフランスは弱体化している。塹壕修正を活用するまでもなく、
適当にユニットをフランス領内へ移動させ、数の差で敵軍を圧倒する。アフリカには軍を送り込まなかったが、
本国での戦いに敗れたフランスは、パリを占領された直後ぐらいに、アフリカのゴム産地を割譲することに同意した。
次の標的は、オスマントルコ。きっかけはオスマントルコが中核州を求めてエジプトに宣戦布告したことだった。
エジプトは南ドイツの影響下にあるので、戦争開始直後に同盟参戦の要請が来る。でも、エジプトがどうなろうが
南ドイツには関係ない話。面倒なので断ろうかと思ったが、そこでオスマントルコが中核領土だけでなく、以前の
戦争でエジプト南部にあるゴム産地を二つも領有していることに気付いた。
・・・予定変更。エジプトの固有領土を求めて侵略戦争を仕掛けたオスマントルコに鉄拳制裁を食らわす。
その賠償として、エジプト南部は南ドイツ領とする。
ものすごーーく帝国主義な発想により、南ドイツは戦争に介入することにした。オスマントルコは、VIC2では
珍しいことに、1920年代になっても大国の座を保有している(8位なので、ときどきスエーデンと入れ替わる)。
軍事力もまあまあで、エジプト軍は全然歯が立たずに壊滅する。
南ドイツ軍は、どうせオスマントルコなんて弱いだろーと思い、エルサレム周辺の沿岸を北上している
ところを敵部隊と遭遇した。これが激戦となり、士気を全損して南ドイツ敗北寸前となる。
開戦当初、エジプトにいる南ドイツ軍は、スエズに駐屯していた16ユニットしかいなくて、オスマントルコは
全部で50ユニット以上出したので、戦力が全然足りなかった。慌てて南ドイツ本国から増援を60ユニットほど出すと、
ようやく勝つことができた。最初に何も考えず北上させていた8ユニットは、戦闘が長引いた影響で、
残り兵員が3000人ぐらいと壊滅している。
その後、増援のおかげで戦闘勝利の戦勝点が溜まったので、予定通りエジプト南部を割譲させる。
あと、パレスチナ地方がオスマントルコ領で、戦勝点に余裕があったので、これも割譲させた。
するとバルモア宣言のイベントが発動可能になったので、発動、すぐに国家解放コマンドでエルサレムを建国する。
この行動に深い意味はなく、なんとなくエルサレム王国を作ってみたかっただけである。
対オスマントルコ戦が終わった時点で、南ドイツの保有するゴム産地は4つ。その生産量は約160単位、世界第二位の
ゴム産出国である。なお、世界一位は北ドイツの220単位。ソコト南部のゴム産地が北ドイツ領のためだと思われる。
でも、北ドイツは大量のゴムを持っているのに、それを有効利用していない。電気部品の生産量では
イギリスがダントツトップで、自動車の生産量はスエーデンがトップ、ラジオの生産では南ドイツが一位、
という状況である。北ドイツはゴムを輸出するだけで、自国内で消費していないらしい。
イギリスが強いのは、たぶん列強順位一位で世界市場で売られているゴムを全部買い占めるためだろう。
スエーデンの自動車産業が強いのは、謎である。南ドイツでも自動車工場をいくつか作ってみるが、全然儲からず
倒産するのに、スエーデンだけが一人勝ちして、どんどん生産量を伸ばす。
11.ゲーム終了
ゴムを手に入れる戦争を終えた時点で、時代は1925年。あと一回ぐらいならば大戦できるかもしれないが、
もう夜遅くで、大量のユニットを動かすのが面倒だったので、これで終了することにした。
とりあえず、南ドイツの感想をいくつか。
序盤の工場建設で失敗したのがまずかった。南ドイツの研究力を生かして、美学で大国化を目指せば、
もっと早くオーストリアの属国状態から抜け出すことができたと思う。工場がどれだけ儲かるかは
バージョンによって変わるが、とりあえず現在のバージョンでは工場が全然儲からない。
でも、オーストリアの鉄鉱山と炭鉱を占領すると、とたんに工場が黒字化したので、一概に工場は儲からないと
言うわけにもいかない。国内で産出できる資源をよく見て、それに合った工場ならば利益が出るのだろうか?
あと、後半の南ドイツの人口の伸びがすごかった。最初は南ドイツ人の労働人口は1Mぐらいだったはずなのに、
1900年代には13Mの労働人口に増えていた。最初から高度な医療制度を持っていることが効いたのだろうが、
100年間で13倍も人口が増えるのは驚異的である。
おかげで、南ドイツ本国から溢れたPOPが、シナイ半島のヒジャーズやイエメンに移り、最終的にはそれらの土地が
南ドイツの中核州となってしまった。対オスマントルコ戦の後でほんの数カ月所有しただけのパレスチナですら、
南ドイツ人が勝手に移住して、人口比で10%を占めるようになった。
なお、国力集中を兵士POP作成にし続けたせいで、南ドイツの職業は兵士が27%を占めている。
・・・職業軍人の割合がそんなに多い国が、果たして経済的に成り立つのか疑問だ。