とうとう、かつての盟友達とぶつかり合う日が来た。
あれ程信頼しあったフランスは、今や敵陣営についており、傍らに居るのはオーストリアだけだ。
参戦国 | |
仏米同盟 | オーストリア=ハンガリー2重帝国 |
フランス | オーストリア |
アメリカ | その他 |
その他 |
参戦国 | |
仏米同盟 | ロシア帝国 |
アメリカ | ロシア |
フランス | その他 |
その他 |
ロシアが宣戦布告をするより前に、既にアメリカ・オーストリアの両雄はザクセンで激突していた。
このときのアメリカ保有師団数が500程度だったことを考えれば、動員を除けばほぼ全軍と言えるだろう。
ザクセンのオーストリア軍を支援するために、ロシアは事前に行っておいたドイツ宣戦で
踏み均しておいたドイツ領からアメリカ軍の背後へ回り込み、包囲殲滅を狙おうとした。
オーストリア国境のマグデブルグステートさえ落とせば、アメリカ師団敵陣中に孤立する事になる。
対露戦闘はしないと言っていたフランスは、ロシアの動きに敏感に反応し
「戦うつもりは無かったが、フランス領へ進攻した以上、戦わざるを得ない」と発言し、全軍を北部へかき集めてきた。
この時ロシアは、てっきりアメリカ領ドイツステートで戦闘していると勘違いしており
何を言ってるのかさっぱりわかっておらず、そこまでして戦いのかと怒りを覚えたくらいだ。
事実、開戦前の同地域はアメリカ師団だけが山高く積み上げられており
勘違いする大きな要因となってしまったのである。
アメリカの包囲殲滅だけを狙っていると話しても、フランスは一向に聞く耳を持たず
そうこうしている内に、仏米の連合軍とロシアはハノーヴァー付近で会戦へと発展してしまった。
フランスはアメリカとの盟約の為に、ロシアはオーストリアを助ける為に引く事が出来なくなってしまったのである。
この流れを見たイギリスが、カットダウン期間中ではあったものの「譲歩を出した方に付く」と言い出した。
イギリス自体はしばらく戦争に参加できないが、外交関係を密にしている日本師団が手薄な地域に攻勢をかけるとなると面倒である。
フランスは、イギリスの条件の幅次第では参戦を促す意思があるようで、イギリスと腹の探り合いを見せたが
イギリスがアッサムや南ベンガルどころか、デリーまで要求した事でフランスはなかなか首を縦に振ることが出来ずにいるようだ。
交渉が平行線を辿っている中、イギリスはロシアにも探りを入れ「何を差し出してくれるか」と問いただしてきた。
ロシアがイギリスに譲れるものはラホール(パンジャブ)しかない事から
もはや、あちらに付くのだろうと思われたが、フランスとの交渉は案外旨く進んでいないので、ややほっとした。
恐らくは、参戦自体がまだ先である分
急がず焦らして、より良い条件を引き出そうとしているのだろう。
今まで殴られるばかりだったイギリスが、非常に重要な外交ポジションに収まったことで、非常に生き生きしているように思えた。
VCで、イギリス参戦を巡って駆け引きが繰り広げられている中
レニングラード~クリミアラインに配備していた、欧州方面軍の大半である400師が前線に到着した。
元々、フランスは本土で生まれる師団数は少ない上に、同盟国のアメリカはザクセンの少ないプロビに引き込まれて
オーストリア軍相手に苦戦しており、フランス方は増援を望めないことから、圧倒的にロシア側が有利だ。
特に、第二回の対英戦の際に見せたアメリカの士気値回復の為の師団入れ替え術は
ザクセン戦線のすぐ後ろにロシア本隊が居るために機能できない様子。
≪仏墺露不可侵条約≫ フランス・オーストリア間の戦闘を一切禁止する。 ロシア・オーストリア間の戦闘を一切禁止する。 尚、この条約はマルチ終了(1925年)まで有効とする。
一応、フランスはオーストリアとの協約は守るようで、オーストリアと戦闘している気配は無いが
イタリア方面からロシア師団が雪崩れ込んで来ることを警戒しているのか、兵力思いのほか集中していない。
ロシア側はドイツと戦争状態にある為に、延びきったフランス国境のどこへでも侵入することが出来
実質、フランスはウィークポイントを多数抱えている状態にありながら、兵力差をつけられていることになる。
そればかりか、せっかくフランスが手に入れたデリーは
他のインドステートとは陸続き出ない上に平野がちなので、インド方面300師団が雪崩れ込めば全滅必死である。
(この時のデリーは、割譲からあまり日が経っていなかったからか、師団が出切っていないかった)
途中オーストリアから注意を受けたが、肝心の動員兵は未だオーストリア国境で休ませており、本気で米仏を攻め滅ぼす気になれば
700師団近い動員兵を他の戦線にねじ込みつつ、すでに地続きになっているアフリカへ余剰戦力を雪崩れ込ませれば勝利は硬い。
ここへ来て、海軍なしで各地へのアクセスを持つロシアの強みを実感したのであった。
もし兵力に不安があるようであれば、ハノーヴァーから撤退しつつわざと面を薄くしつつ兵力を別の戦線に回して
仏米がオーストリア軍を逆包囲しに、ドイツ領を越えて来たところでロシアがドイツと和平すれば
遠征軍を帰れなくして全滅させるなんていう荒業も出来る。
(仏米はドイツとの和平期間とBBRの関係上、対独宣戦が出来ない)
だが、この期に及んでもロシアはフランスを蹴落とす事に価値を見出せず
各戦線へいつでも兵を動かせる状態のまま、貪欲に一位を狙うべきか非常に迷っていた。
恐らく、オーストリアに正式にオファーすれば
フランス国境を越えて侵攻してくれるような気もするし、戦力的には申し分ない。
果たしてどうしたものか。
イギリスとの交渉に限界を感じたのか、はたまたハノーヴァーの戦線が動員なしでは維持が困難になりつつあったからか
フランスはロシアに個別和平を申し入れてきた。
恐らく、フランスはロシアが本気で来た場合、本土を踏み荒らされて首位を狙えなくなると思ったのかもしれない。
フランスはロシアとは戦うつもりも無かった意に反して、思わぬ大規模戦闘になってしまった事から、かなり困惑している様子。
個別和平の動きを見たイギリスは、すかさず「ロシアがここで和平を結ぶメリットって何?」と言い放ち
ロシアが本気でフランスを攻めたら、首位はロシアになるのは確実だと提言し、オーストリアもこの意見に同調して見せた。
フランスは現状2位であるが、負けた上にデリーを奪われたとなると
建艦競争で優位に立ってるとはいえ、ポイント的にロシアに勝てるか際どい所なのだ。
本気でフランス領に攻め込めば勝算はかなり高い上に、首位を狙える展開を前にして
悩みに悩み、フランスに対して「3分間の返答時間が欲しい」と言い、一人考えにふけた。
世界が仏露の停戦に注目する中、ロシアは一人Skypeの過去ログを読み漁るのであった・・・。
???「.....経済は......勝っていま........」
???「...こちらとしても......この戦いが終わってから―させてくださ............修正しないといけ....」
???「ロシアさん。仮に最終局面でアメリカvs英仏の構図ができた場合、ロシアさんはどちらに付きますか?」
露「私にまだ国力が残っていれば 恐らくフランスに付くと思います。 これだけは、ちょっと曲げにくいと思います」
米「なるほど・・・ 正直に話してくださってありがとうございます」
露「いえ、直球ですみません。 フランスには、恩があるので」
どこで道を間違えたのだろう、過去にフランスの首位を支援すると言っていたというのに。
今ここでオーストリアと結託してフランス領へ雪崩れ込めば、戦略的に考えて勝利する確率は高い。
だが、裏切られたからといって、復讐することで真の勝利を見出せるのだろうか?
最も良い復讐の方法は、自分まで同じような行為をしないことだ。 by マルクス・アウレリウス・アントニヌス
そうだ、答えは既に出ている。
今こそ、ロシアは真の決断をすべき時なのだ・・・!
露 「白紙和平でお願いします」
英墺「えっ」
仏 「ッ・・・!(グッとこぶしを握り締めて勝利を確信する)」
米 「ちょ・・・軍孤立するんですけど(汗」
予想を斜め上を行ったロシアの解答に、各国やや戸惑ったようであるが
これをもってロシアは首位の夢を捨て、フランスに勝たせる事を選んだのである。
なんだか、ファショダ事件みたいな展開になってしまった・・・。
もし、これでフランスが首位になれなかったら、後日のAARで散々批判してやろうと心に決めるのであった。
ツァー筆記中