「さて……我が国は現在第三位につけている。東條大将、ここからトップへ立つためにはどうするべきか」
「ドレノの軍事点で一位を狙うしかありませんな。海軍の貧弱なトルコは建艦競争に勝てますまい」
「ここはオスマンと共同してスウェーデンを蹴落としましょう」
「閣下、ベルギーからスウェーデンへの共同戦線を求める使者が参っております」
「ふむ……ではスペインと約束していたオーストリア侵攻はキャンセルしよう」
「それで、我々はどちらの味方に付けばよいのだ?」
「スウェーデンはシーパワーの大国で、我が国単独での攻略は事実上不可能です」
「一方ベルギーは大陸国の上、領土が分散しており、縦深も浅く攻略は容易」
「海軍力も我が国と差はありません。戦後を考えると、御しやすいのは後者でしょう」
「もしベルギーが一位になった場合、オーストリアを踏みつぶして陸路で叩けるわけだな」
「よろしい。スウェーデン戦の準備を開始せよ。ベルギーへの侵攻計画も立案しておくように」
「落伍したとはいえ、スペインはまだ闘志を失ってはいないわ」
「トップは無理でもせめて三位。そう、三位を狙いましょう。廉也、どうにかしてスペインを三位にしなさい」
「上位三国は戦争で疲弊するはずです。敢闘精神をもって第三位の国を叩けば、必ずや道は開けましょうぞ」
「ひとまずは力を付けるために……ボヘミア割譲を狙って、西カメルーン奪回名分でオーストリアへ宣戦布告!」
「世界から
(内政だけでスペインを越えられるかどうか……。独断でスペイン戦の準備をしておこう)
「どうもオスマンとベルギーは
「スペインからは『第三位を狙う。オスマンへ1902年に宣戦する』と宣言が来たが、これもどう動くかは不明瞭だ」
「ベルギー・オスマンと交戦した場合、海軍が同数で陸軍はおよそ二倍だが……この劣勢をどう覆す?」
「海上優勢を生かし、各個撃破を狙いましょう。我が国には新鋭の巡洋艦が1000以上あります」
「オスマンとベルギーの海軍は時代遅れの鉄甲艦ばかり。ドレッドノート登場後も数年は海上優勢を確保できます」
「よかろう。半島国の意地を見せてやれ!」
1896年時点で、スウェーデンの戦力は陸軍350、予備役100、海軍3250となっている。
一方でオスマンは陸軍350、予備役150、海軍1500と陸軍に偏重している。
ベルギーは陸軍250、予備役80、海軍1750で、軍事力は上位三国のうち一番貧弱だった。
なお第三極のスペインは陸軍100、予備役80、海軍400。ポルトガルは陸軍150、予備役80、海軍150を保有している。
数字の上では圧倒的に劣勢だが、スウェーデンに有利な条件も多い。
スウェーデンは防衛側であり海上優勢も持っているため、防衛線を構築し、そこに全戦力を投入できる。
一方で攻撃側のオスマンとベルギーは、海上からの奇襲と第三極による攻撃に備えて、本国に守備隊を残す必要がある。
結局の所、戦争の主導権を握り、戦場を指定できるのはスウェーデンなのだ!
従って、これらの利点を最大限活かせるように戦争計画を立案した。
まず、スウェーデン本土と大陸を繋ぐ陸路を封鎖する。接続部はフィンランドとデンマークに存在する。
フィンランド戦線では、ロシア領を踏破してくるオスマン軍が予想される。
フィンランドとロシアの国境は4プロビで接しているが、ペトロザヴォーツクとポヴェンツを放棄することで、
戦線を2プロビにまで縮小できる。なお、ヴィボルグは森林、コストムスカは氷土である。
ここに砲兵20個連隊を含む正規兵200個連隊を配置し、損耗した部隊を入れ替えながら持久戦を図る。
補給線の長さ、損耗、兵力の回復量を考えると、ここを突破するのは事実上不可能だろう。
ユトランドには砲兵10個連隊を含む正規兵100個連隊を配置する。
攻勢正面が1プロビの上、多くの中立国を踏破せねばならないため、ここからの攻撃は考えにくい。
しかし念のため部隊を配置しておくに越したことはない。
この部隊は予備戦力として重要で、いざという時には海上輸送によりフィンランドへ送ったり、敵本土上陸作戦の中核となったりする。
スウェーデンにとって恐ろしいのは、海上からの強襲である。
北海の防衛線はスウェーデン艦隊の3分の2、鉄甲艦1200と巡洋艦800によって守られる。
一方アジアでは
重要拠点スマトラは海軍で守る。敵国と陸上で接していない以上、ここに兵力を配置する必要はない。
スウェーデンの東洋艦隊、鉄甲艦800と巡洋艦400はこの海域に配置する。
最重要なのが日本の確保だ。ここは各国の兵力の畑である。日本を制した者だけが追加の戦力を得られるのだ。
日本沿岸に哨戒艦を配置しておき、強襲上陸を阻止した上で、西部戦線のベルギー軍を兵庫要塞に足止めする。
その間に東部戦線でオスマン軍を日本から叩き出し、返す刀で四国・中国・九州のベルギー軍を各個撃破する。
敵海軍の妨害が最も懸念されるのがこの海域だが、スマトラの東洋艦隊の機動によって対処する方針だ。
なお、日本の西部戦線には予備役30個連隊、東部戦線には予備役120個連隊を配置する。
予備役を使う理由は、日本制圧後に動員解除・再動員すれば一瞬で本国へ部隊を移動できるためだ。
万一、日本制圧作戦に失敗したとしても、やはり再動員を用いれば容易に兵力を回収できる。
この再動員された兵力を基幹として、ベルギー本土、及びカラブリアへ侵攻。
ベルギーを脱落させる……というのがスウェーデンの戦争計画であった。
「陛下、アフリカ戦線とバルト海南岸が空っぽですが……」
「心配ない。空城の計だ」
アフリカに守る価値はないため、ここはオスマンに明け渡す。
しかしここを『領有している』という価値は高い。これはバルト海南岸も同様である。
「オスマンが百個連隊でナイジェリアを制圧すると仮定するだろう。ナイジェリアを制圧したら、その部隊はどうする?」
「陸路を北上させ、フィンランド戦線に投入します」
「では陸路を移動中、ナイジェリアにスウェーデン軍が上陸してきたら?」
「北上中の軍を転進させ、ナイジェリア攻略に向かわせます」
「そこでスウェーデン軍は華麗に撤退を決めるわけだ」
「……」
以下無限ループ
「遊兵を作るって簡単でしょ」
海兵隊って本当に素晴らしい。
操作できるだけの余力があれば、予備戦力を使ってとことん嫌がらせをするつもりだ。
ちなみに敵軍の戦力配置予想はこんな感じ。
ベルギー
ベルギー本国 150個連隊 守備隊
カラブリア 100個連隊 守備隊
ジャワ・西日本 80個連隊 主攻
オスマン
オスマン本国 200個連隊 守備隊
ナイジェリア 100個連隊 助攻
バルト海南岸・フィンランド 200個連隊 主攻
これにスペインの200個連隊が加わっても、守りきる自信はあった。
なにしろゲーム序盤から、この戦略に沿うように国家を作ってきたのだから。
なお、スウェーデンは海軍を維持するためにちょっとした小技を使っている。
陸海軍の士気最大値は国家備蓄(右上のバー)の位置『のみ』に依存するが、
士気回復値は必要物資がどれだけ国家備蓄として買われているかに依存する。
このため、小火器と缶詰を購入設定に、大砲と燃料と汽船を売却設定にし、国家備蓄バーをMAXまで上げると……
火の車だったスウェーデンの財政もこの通り。
資金が足りている場合、小火器と缶詰を必要とする歩兵は士気最大値MAX、士気回復量MAXとなり、戦力をフルに活用できる。
一方、缶詰・大砲・燃料・汽船を必要とする巡洋艦は士気最大値MAX、士気回復量が4分の1となる。
4分の1とはいえ士気が回復する以上、最初の一回の戦闘では100%の戦力を発揮できるわけで……
というか、回復の遅い海軍では連戦する方が希である。
巡洋艦の維持費の9割が燃料・汽船・大砲である以上、これらの供給は切るべきだろう。
注意点としては、燃料や汽船を切りっぱなしにしておくと、船の新規建造時などに材料が供給されない。
従って造船の必要がある時は、こまめに物資の購入・売却を切り替えてやる必要がある。
さらに大砲の供給を切っている場合、砲兵の製造が止まるばかりか、砲兵の士気回復速度も4分の3に低下する。
砲兵の士気を回復させたい時も、やはり物資の購入設定を弄ってやるべきだろう。
軍事支出も削減の余地がある。
軍事支出はPOPの兵士転換率に影響を与えるが、
POPの兵士転換率は『軍事支出が80%より上』とか、『90%より上』など、10%刻みに切り替わる。
システム上、軍事支出81%と90%、91%と100%は同じ扱いなのである。
これを理解すると、ゲーム序盤の資金繰りが楽になる。無駄遣いはやめよう。
「イタリア観戦記とかタイトル詐欺になっていますが、気にしないでください。……というかどうしてこうなった」
「あと2013年2月頃に第5回マルチをやるっぽいです。開始年時は1861年、国家は英・米・日・仏・独・奥・伊・露・土・西の模様」
「現在9人が参加する予定です。まだ席は空いてるので、興味のある方は是非是非声を掛けてください」