前年から続くテッサリア危機は重大局面を迎えようとしていた。
強硬な態度のポルトガルは、ギリシャの度重なるオスマン帝国に対する領土的野心と冒険主義にきわめて強い非難をぶつけており、これに反発するギリシャでは反ポルトガル・反オスマンのデモが日に日に規模を大きくしていた。
1904年3月10日。イギリス首相バルフォアは悲壮な演説を英国議会で行う。
「いま戦争が引き起こされようとしている。強硬な態度をとっている両者は互いに譲歩し、平和へと歩みだすべきだ。」
だが、列強各国はこの危機の打開は困難と判断、総動員の準備を始めつつあった。
いま、ヨーロッパとアフリカで大戦が始まろうとしていた…。
シロツグ「しょ、将軍! どういうことなんですか? この事態は…」
将軍「シロツグか。もうすぐ大戦が始まる。わが王立植民地軍は国軍と協力し、フランス・ロシア連合軍と戦うことになる」
シロツグ「いや、そうじゃなくて…」
将軍「…この事態は総省と政府の意向だよ。アフリカと西ヨーロッパにおける主導権の争奪だ。アフリカでは葡仏間だけでなく、英仏間でも衝突が続いていた。いずれこの大戦は起こったのだ」
シロツグ「…」
将軍「大戦となったからには勝たねばならん…全力を尽くせ」
1904年3月14日、二度目となる大戦が始まる。
シロツグ「ポルトガルと同盟していた国々のほとんどはこの大戦に参戦しました。シャムだけが参戦していません」
将軍「南米の国々も参戦しているな。わが国の影響力の強さでもあるが…」
シロツグ「フランス領アフリカのほとんどはすでに反乱軍の手に落ちており、フランス軍はいません。この方面で仏露連合の侵攻はないでしょう。満洲と中央アジア、コーカサス、バルカン半島でロシアの侵攻の危険性があります」
将軍「満洲は清国とロシアを戦わせるべきではないな。朝鮮駐留軍を展開させて満露国境でロシア軍を殲滅するのだ。中央アジアは英領インドからの増援が期待できる。問題はオスマン帝国か…」
シロツグ「ペルシアも参戦してくれてはいますが、今回のロシアは強力なので、同盟国の戦力は期待できません。占領には役に立つでしょうけど…」
将軍「うむ…イギリスとドイツがどれほどフランスを押し戻してくれるかだが…」
シロツグ「国軍からは『同盟国スペインのフランス国境まで前進し、その後侵攻せよ』と命令を受けています。6個軍団がフランス国境で待機中です」
将軍「うむ。…ところで、国軍は何をしているんだ? 総動員もしていないみたいだが…」
シロツグ「新聞によると『植民地軍と同盟国スペインがフランスと勇敢に戦うので、ポルトガルの守りは海だけでよい』とかなんとか首相が言ってたって書いてありましたけど…」
将軍「政府のアホどもが…総省も総省だ! ヨゴレ仕事は植民地徴募兵でなんとかしようというのか…!」
シロツグ「フランスの海軍はほとんどないも等しいので、海軍は総出で海上封鎖していますね」
将軍「中央アジアでロシア軍が侵攻してきたか…。ここには何個軍団を配置している?」
シロツグ「えーと、この方面では3個軍団だけです」
将軍「お、おい。間に合うのか? 東アフリカの軍団を転進させろ!」
シロツグ「わかりました。アフリカ方面のフランス軍の脅威がなくてよかったですが、どこもいっぱいいっぱいですよ…」
将軍「旧沿海州のニコライエフスク・ナ・アムールでもロシア軍と交戦しているな…ロシア軍は強い…これを殲滅できればシベリア以東で脅威はないはずだ」
シロツグ「予備兵力が1個軍団ありますから、後方で待機させています」
将軍「中央アジア方面では英領インド駐留軍がものすごい数で援軍に来てくれているようだな」
シロツグ「このロシア軍を最初に捕捉したのは植民地軍ですよ。英軍は後から来たにすぎません」
将軍「とはいえ、彼らの助力はありがたい。これでこの方面のロシアの侵攻は排除できそうだ」
シロツグ「植民地のステート化も戦争中はできないみたいですね」
将軍「うむ。たぶん、CBの種類が変わってしまうからだろうな。ステート化してしまうと、PlaceInTheSunではなく、AquireStateでなければ要求できなくなるからな」
シロツグ「なるほど。しばらくは我慢ですね」
将軍「仏領アフリカを進撃しているな。とはいえ、この辺は人口が少ないのでなぁ…」
シロツグ「やはり奪うとしたら西アフリカ沿岸ですか」
将軍「うむ。そのほうがいいだろう。とはいえ、PlaceInTheSunでもInfamyが3.3必要だしな…」
シロツグ「将軍、AddWarGoalの時間です」
将軍「まずは、ブラジルを寄こせ、だな」
シロツグ「Infamyも1.3しかかかりませんもんね。あのブラジルをこれで勢力下におけるとはいい感じです」
将軍「仏西国境からわが軍がフランス領に侵攻しているな」
シロツグ「はい。北フランスでドイツ軍と英軍がフランス軍を引きつけてくれているので、わが軍の前面には動員兵が主力の軍団しか現れませんね」
将軍「…まぁ戦勝点を稼がせてもらおうか」
シロツグ「中央アジア方面でロシア軍を壊滅させます」
将軍「ロシア軍には後詰めがいるようだ。これも余さず、すべてを壊滅するんだぞ」
シロツグ「大丈夫です。東アフリカからの援軍も十分に支援しています」
将軍「満洲でもなんとかロシア軍を撃滅できそうだな」
シロツグ「清国軍がシベリアに進出しています。が、ロシアはこれに対応できていません」
将軍「どうせロシアはシベリアを守る気などない。満洲の戦いに勝利したら、この方面の軍団は初期配置に戻せ」
シロツグ「他の地域に移動させなくていいんですか?」
将軍「いや、いますべての軍団が戦争に対応していて、同盟国内の反乱に対応できる軍団がない。極東派遣植民地軍はこれに対応できるようにしておこう」
シロツグ「将軍、AddWarGoalの時間です」
将軍「もうすでに戦勝点を60%も稼いでいるのか…フランスに対してPlaceInTheSunでセネガルを要求しろ」
シロツグ「了解。セネガルを要求します」
将軍「なかなかピレネー以北から進撃できんな」
シロツグ「わが軍もけして弱くはないのですが、意外にフランス軍の抵抗を排除できていません」
将軍「フランス本土を占領せんとこの大戦でいいように要求を通せんぞ。なんとかフランス軍の抵抗を排除するんだ」
シロツグ「オランダがモロッコ相手に戦争を始めました。モロッコはイタリア勢力下ですが…」
将軍「イタリアもフランスと戦争中だし、対応はできまい。モロッコごときのためにオランダとの対決を避けたのかもしれないしな…」
シロツグ「大戦は…熾烈ですね」
将軍「AddWarGoalの時間か。PlaceInTheSunでマダガスカルを要求だ」
シロツグ「おお! マダガスカル全域を手中に収めるということですか。ついに東アフリカ全域をポルトガル領にできますね」
将軍「うむ。だが、レユニオンがあって、この地域から完全にフランスの勢力を排除できるわけではない。ま、する必要もないかもしれんがな」
シロツグ「うん? Georgiaとアゼルバイジャンの独立要求?」
将軍「そうだ。ロシアからコーカサスを奪うぞ」
シロツグ「…これって、どっかのAARで見たような…」
将軍「同じ作者だしな、気にするな」
シロツグ「フランス戦線はほぼわが陣営の勝利が確定しました。一部でフランス軍が絶望的な戦いを続けています」
将軍「ロシアはどうか?」
シロツグ「バルカン半島ではオスマン帝国相手に善戦しているようですが…」
将軍「ふむ。コーカサスではこちらが優勢か」
シロツグ「満洲では清国の数の暴力が猛威を振るっています。中央アジアではわが軍の1個軍団がカスピ海北岸を占領していますが、ロシアの反攻はありません」
将軍「…この大戦は終わったな」
シロツグ「あの…一応、ギリシャもいますけど…」
将軍「なんの役に立つんだ、そんな国…。オスマン帝国の劣勢は気になるな…。コーカサスから2個軍団を抽出してアナトリアからバルカンに回せるか?」
シロツグ「問題ありません」
将軍「年を越したか…」
シロツグ「アルジェリアで現地勢力がフランスからの独立を宣言しました」
将軍「アルジェの復活か…。政府の連中が妙な気を起こさねばいいが」
シロツグ「コーカサス戦線です。ロストフでロシア軍の襲撃がありました」
将軍「だが、動員兵のようだな。ロシアは頑張った。陸軍技術も優秀だ。…だが、相手と同盟する相手が悪かったな」
シロツグ「確実に殲滅します…」
将軍「本国のほうでは戦争に際して、改革を行うようだな」
シロツグ「開戦当初からこの改革は実施可能だったんですがね。政府がダラダラと伸ばしていたようです」
将軍「TradeUnionで改革か…政治改革は進んでいるが、社会改革は進んでいないからな。順当だよ」
シロツグ「ん? なんですか、このイベント?」
将軍「わが国の隣国が、わが国における銃器販売についてクレームを言ってきているらしい。特に国境地帯においてな」
シロツグ「うーん、確かにこのVic2では反乱勢力がどこで仕入れたかよくわからない武器で武装していますもんね。本当にどこで手に入れたんでしょうね??」
将軍「う、うむ。ま、結局、そんなクレームを許容するようなポルトガルではない」
シロツグ「ということは、このイベントでも…」
将軍「うむ。PrestigeとRPが増える選択肢があるのに、それを選ばないわけがあるだろうか? いや、ない」
シロツグ「そうですよねー。…それにしても、ポルトガルはここまで一度も反乱が起きませんね??」
将軍「そこがよくわからんのだ。政治改革が十分に進んでいるからかもしれんが…」
シロツグ「もう戦勝点が100%になりました」
将軍「これが最後だな。AlRifを要求しよう」
シロツグ「どこです、それは?」
将軍「ジブラルタルの真正面だよ。アフリカ側のな」
シロツグ「わが国の交渉団がフランス代表とパリで会談し、講話条件を整理しました。フランス及びロシアはこの条件に合意すると回答してきました」
将軍「結局、どうなった?」
シロツグ「ええと…ポルトガルに対して、フランスはセネガル、マダガスカル、AlRifを割譲、ブラジルの利権をポルトガルに譲渡、ロシアはGeorgiaとアゼルバイジャンの独立を認める…」
将軍「うむ、いい感じだ」
シロツグ「ドイツに対して、ロシアは東欧のステートを1つ割譲…。イギリスに対して、フランスは象牙海岸の植民地を1ステート割譲…」
将軍「政府め、ほとんどを貰いよったな…まぁ、AIが大戦をしたときもそんな感じだからこれが悪いわけではないがな」
シロツグ「戦後の状況を俯瞰しますか?」
将軍「うむ、そうしてくれ」
シロツグ「ヨーロッパでは、Georgiaとアゼルバイジャンが独立。ドイツがポーランドの北にステートを得ています。…いつの間にか、ポーランド領に白ロシアができています…」
将軍「その白ロシアはこの大戦の結果ではないよな…」
シロツグ「アフリカ北半の状況です。アフリカでは、セネガルをポルトガルが、象牙海岸をイギリスが得ました。大戦の結果ではありませんが、アルジェの独立、モロッコのオランダ保護領化がありました」
将軍「こうしてみると、セネガルとビサウが孤立しているな…仏領アフリカをもっと得ておくべきだったか」
シロツグ「Infamyが25を超えちゃいますよ…」
将軍「そうだな。それをやってしまうと止めどがない」
シロツグ「アフリカ南半の状況です。マダガスカルがポルトガル領になり、ポルトガルの優位が決定的になりました」
将軍「うむ、いい感じだ。ようやく大戦も終わったな…。政府と総省め…何を企んでいるんだ…」
シロツグ「…ようやく訪れた平和ですね。ゆっくり休ませてくださいよ」
将軍「ああ、いいだろう。…だが…このままで終わるような気がせん…またきっと何かある…準備しておかなければ…」
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