1913年12月。世界はまた新たな危機を迎えていた。
かつてオスマン帝国を擁護し、ギリシャを糾弾していたポルトガルはギリシャの民族自決権の発露を称賛し、オスマン帝国に全面的な譲歩を要求していた。
オスマン帝国は彼らを支持するオランダとともに声明を出す。
「危険な怪物がヨーロッパにいる。奴らは世界を滅ぼそうとしている。今こそ奴らをロカ岬*1から大西洋に追い落とさなければならない!」
フランスは沈黙を守ったまま、その日を迎える…。
将軍「総省と政府は開戦を決定した。フランスはこの戦争に加わらなかったが、案の定、オランダの同盟国はオランダ側に参戦した」
シロツグ「危機としては2列強対1列強で大戦にならないはずですが、イギリスが同盟国として参戦したために大戦になったわけですね」
将軍「そういうことだ。ドイツもがんばってくれるだろう。だが、もっと厳しいのはポルトガルの側だ。アフリカ、西アジア、中央アジア、ビルマ、インドネシアでポルトガル植民地・同盟国と敵対国は接している…」
シロツグ「綱渡りですね…」
将軍「だが、いい話もある。陸軍技術はオランダが22/30、イギリスが21/30に対して、わがポルトガルは25/30、毒ガス技術も有している。陸戦ではきわめて強力な力を発揮しよう」
シロツグ「相変わらずこの作者は陸軍技術を高めますね」
将軍「ま、勝ちやすきに勝つが兵法の常道よ。ヤるならいまでしょ、ということだな」
シロツグ「エジプト方面で会敵! オスマン帝国軍と交戦状態に入りました」
将軍「この方面はスペイン軍の助けも借りられるし、スエズで本土からの増援を妨害できる…。問題はギニア湾北岸の英領アフリカだ…」
シロツグ「英領南アフリカもありますが」
将軍「あそこには兵力はいないようだ。こちらは1個軍団ぐらいはいるな?」
シロツグ「はい…操作を忘れてしまいそうですが」
将軍「大丈夫だ、問題ない。ちなみに、BGMは『デスラー襲来』で頼む」
シロツグ「はあ??」
将軍「海軍のドーバー海峡封鎖作戦が成功するかどうかはこの戦争に大きな意味を持つ」
シロツグ「海軍は輸送艦の護衛艦隊以外の本国艦隊をドーバー海峡封鎖作戦に投入する決断をしました…ですが、オランダとイギリス両方を相手にするのはかなりキツそうです」
将軍「く…100隻以上をつぎ込んでいるが、半数はIroncladとCommerceRaiderだ。対する英蘭海軍は最新鋭艦…」
シロツグ「1日ごとにこちらの数が減っていますが、相手の数は減っていません…」
将軍「指揮統制値が完全に上がりきっていないうちから投入したな…まずいぞ…」
シロツグ「1か月以上の作戦行動を続けましたが、海軍司令部はドーバー海峡封鎖作戦の継続を断念! 全艦隊がフランドルの軍港へ退避します!」
将軍「言わんこっちゃない! ドーバー海峡からフランス領を経由して英軍が侵攻してくるぞ! 海軍の負けは陸戦でいくらでも取り返せるが、ワロニアとフランドルがオランダ、イギリス、スイスにボコられるぞ」
シロツグ「そのうちにフランスがシャンパーニュを求めて開戦してきたら目も当てられませんね」
将軍「かなりの国が援軍として参加してくれているみたいだな」
シロツグ「そうですね。最初、Berodaはイギリス側での参戦かと思ったら、ポルトガル側でした」
将軍「同盟国なのか…結構な兵力を持っているようだな」
シロツグ「そうですね。さすがはインドです。…ところで、将軍。政府はこの戦争でどんな目標を掲げるんですか?」
将軍「実のところ、現状のInfamyが11で、余地は13程度しかない。それほど要求できるわけではないのだ」
シロツグ「南アフリカですか? あるいは、北アフリカ? 西アフリカ? 勢力下のカナダを奪う?」
将軍「政府はまったく違う考えを持っているようだ」
シロツグ「え? というと?」
将軍「インドネシアのスマトラおよびジャワをオランダから、インドのボンベイおよびマドラスをイギリスから奪う。これで3.3×4で13.2。範囲内だ」
シロツグ「そ、それは…」
将軍「言うまでもないが、スマトラは原油産出地だ。これでゴムと原油という20世紀の重要資源をポルトガルは確保できる。またインドもインドネシアも人口が多い。国内市場や植民地軍の拡充につながる」
シロツグ「人口という点ならば、インドはベンガルのほうが多いですが…」
将軍「そのとおりだ。だが、ベンガルはインドの東でポルトガルの防衛拠点から遠い上に孤立している。ゴアなどと連結できるボンベイおよびマドラスのほうが防衛には適している」
シロツグ「アジアをポルトガルが奪うわけですね」
将軍「おそらく、これらと西マケドニアの必要戦勝点は合わせても50ぐらいだろう。あとは他の参戦国の要求を通そうじゃないか」
シロツグ「ジブラルタルから英軍がスペイン領に進出してきました。撃退します」
将軍「うむ。英軍に毒ガス加点はない…陸戦はわが軍が大幅に有利になるぞ」
シロツグ「確かにイギリス軍はみるみる溶けていってます…!」
将軍「ヘブン状態っ…! 圧倒的…ヘブン状態っ…!!」
シロツグ「アヘンでもキめたんですか??」
将軍「ビルマ方面で英軍の侵攻を受けているのか」
シロツグ「この方面にはユンナン駐留軍1個軍団しかいません。英軍はおおよそ2倍強です」
将軍「ビルマ軍と一緒に戦っているから、毒ガス加点はない…が、防御加点のビルマ将軍と地形のおかげでなんとかなっているな」
シロツグ「コーカサス戦線も悲惨ですね」
将軍「2個軍団しかおらず、おまけに南北で敵対国家に挟まれている。オスマン帝国はなんとか撃退できるだろうが、いずれソ連軍に踏みつぶされかねん…」
シロツグ「黒海方面からの援軍は派遣が厳しそうです。ペルシア側からオスマン帝国領を通過していくしかなさそうです」
将軍「インド戦線が落ち着けばたやすいのだが…」
シロツグ「北アフリカにおいてわが軍はスペイン軍と共同で作戦行動を開始しました。砂漠での戦闘で厳しい状況ですが、なんとか北アフリカにおけるオスマン帝国軍を壊滅することができそうです」
将軍「占領はスペイン軍に任せて、その軍団はスエズ方面で休息させよう。被害が大きすぎる」
シロツグ「!! 毒ガス防護技術を発明しました!」
将軍「これは…なんという幸運なのだ! 戦争中でなければ発動しない確率をモノにできるとは」
シロツグ「これで今後の戦争もかなり有利に進めることができますね」
将軍「地中海でオスマン帝国海軍と交戦にはいったな」
シロツグ「輸送艦隊を護衛していた艦隊です。北ヨーロッパ戦線に送るつもりでしたが、オスマン帝国海軍に捕捉されました」
将軍「捕捉されたって…相手は輸送艦隊だろ?」
シロツグ「そうなんですよねぇ…これはこっちが食っちゃったということなんでしょうね」
将軍「コーカサス方面でソ連軍の侵攻か…」
シロツグ「コーカサス駐留軍2個軍団が排除しようとしています。アゼルバイジャン側にもソ連軍が侵入してきました」
将軍「この戦いに勝利すればもう一方も各個撃破できる程度の規模だ。どうやらソ連軍はドイツ軍のほうに主力を置いたらしい」
シロツグ「開戦3か月ですでに戦勝点は59%に達しています。AddWarGoalを先ほどの方針で行います」
将軍「オランダにスマトラ要求、イギリスにボンベイ要求か…戦勝点は50%はすぐに稼げるんだ」
シロツグ「あ、そうなんですか?」
将軍「ああ、戦闘による勝利で+50までははいる。だから、必要戦勝点が50以下の要求は戦って敵を打ち負かしていけば達成できるといえる。しかし、いくら戦闘に勝ってもそれ以上の加点はない。海上封鎖も上限(+25?)がある。だから、占領地を戦争目的に合致するように増やしていくようになる」
シロツグ「なるほど…」
将軍「あと、なんでかわからんが、戦勝点以下の要求でも頑として応じないこともある。セーブロードすると受け入れたり、向こうから提案してきたりするんだが…」
シロツグ「コーカサス方面の戦いはアゼルバイジャン側にもソ連軍が侵入しました。占領されるでしょう…」
将軍「ううむ。Georgiaでの戦闘をなんとか早急に勝利で終わらせなければならんな」
シロツグ「ギリシャ方面で暴れているオスマン帝国軍を粉砕しています。西マケドニアも戦争目的に入っていますから、こちらの占領地も重要ですね」
将軍「そのとおりだ。オスマン帝国軍はどうも数が少ないように感じるが…」
シロツグ「そうですね。ペルシア方面に侵攻してきているのもこの1個軍団だけです」
将軍「各方面の同盟国の状況に気を配れ。自国領への侵攻は注意が出るが、同盟国はまったくわからん」
シロツグ「了解しました」
将軍「AddWarGoalでオランダにジャワを要求…。今回はWarScoreに50程度の猶予があるのだから、ほかの国もAcquireStateとかでコアステートを回復すればいいのだが。特にペルシアやらビルマやら」
シロツグ「強欲な国とそうじゃない国があるのはなんなんでしょうね?」
将軍「ジブラルタルに新手?」
シロツグ「占領を済ませて、わが軍団は本国に帰還していましたので、急派します。おそらくは海上からの上陸軍のようです」
将軍「だが、帰還できる艦隊はいないようだ…殲滅させろ」
シロツグ「問題ありません」
将軍「まずいな…フランドル、ワロニアに英国大陸派遣軍BEFが侵入しているぞ。ドイツ軍が戦ってくれているが…」
シロツグ「低地諸国方面に軍を派遣するのは困難です。大西洋からドーバー海峡を輸送艦隊が突破できるかわかりません。地中海側には同盟国も通行許可国もなく、フランスも敵対的なので通過させてくれません」
将軍「それよりも送る軍団がいない…なんとか2個軍団を抽出するんだ。派遣はなんとでもなる!」
シロツグ「! 海軍が『レオン・フェレロ』作戦を開始しました。ドーバー海峡の再封鎖作戦です」
将軍「海軍め、底力を出したな…そうなると、植民地軍もやってやろうじゃないか」
シロツグ「BEFがフランスを通過し、スペインに侵入しています」
将軍「ち…低地諸国への派遣軍団を編成していたところだというのに…だが、潰させてもらうぞ」
シロツグ「4個軍団で壊滅させます」
将軍「逃がすなよ! フランス側に逃げれば追うことができん」
シロツグ「英領西アフリカでも交戦がありました。が、こちらの優勢です」
将軍「こちらのほうが数的有利がある。この方面は大丈夫だろう…が、この戦線では現状の3個軍団から抽出はできんな」
シロツグ「開戦6か月時点です。戦勝点は68%です」
将軍「開戦3か月はすぐに戦勝点が増えるが、そこからが伸びんのだ…。だが、なんとか100まで持っていくぞ」
シロツグ「イギリスに対して、マドラスを要求。これでポルトガルのAddWarGoalは打ち止めです。Infamyは24.6。ギリギリですね!」
将軍「インドネシア方面だな? こちらはどうなっている?」
シロツグ「スンダ海峡を封鎖してスマトラ島を制圧。ジャワ島バタヴィアにいたオランダ軍7万を、2個軍団によるジャワ島東部上陸でおびき寄せました。最終的に4個軍団で殲滅します」
将軍「戦闘推移をみるとオランダ軍はもはや抵抗できんな…」
シロツグ「スマトラ島で2か所島嶼プロビがあるので、まだ全域を占領できていませんが、おおよそ戦争目的のステートの占領に成功しつつあります」
将軍「開戦から7か月で、わが陣営は当初の戦力2852から2709…おおよそ5%の戦力を喪失したのに対して、英蘭陣営は2041から1382…おおよそ33%を喪失している。戦力比は2倍となった。勝負は決したな」
シロツグ「しかし、いまだ戦勝点は70%です。まだ30も稼がねばなりません…」
将軍「そのとおり。英国本土に侵攻できれば早いが…ドーバー海峡をおさえているとはいえ、それほどの戦力を確保できていない状態だ…」
シロツグ「次の一手は?」
将軍「イタリアと同盟する。同盟かつ同じ敵と交戦状態だと、なぜかその国の領土を通過できる。これを利用すれば、地中海方面から低地諸国への道が開かれる」
シロツグ「なるほど。早速、外務省を動かします」
将軍「結局2個軍団しか抽出できなかった…が、どうやら低地諸国に侵攻していたのは動員兵の軍団らしい。火砲の支援もない状態でまともな戦ができるか。壊滅させるぞ」
シロツグ「数はすごいですが、あっという間にわが軍全面の歩兵が溶けていきます…」
将軍「まさに…ヘブン状態っ…!」
シロツグ「アナトリア東部で散発的なオスマン帝国軍の侵攻があったので、コーカサス駐留軍が撃退しています」
将軍「ソ連軍は撃退できたのだな…それにしても、ソ連軍はこれだけなのか? ドイツがすべて倒したということか??」
シロツグ「確かに、ヨーロッパロシアのほとんどが占領状態です。フィンランド方面にまで及んでいます…」
将軍「なんともドイツの強さはとてつもないな…」
シロツグ「ヨーロッパで新たな戦争が始まりました。ルーマニアがオーストリアに宣戦布告! オーストリア同盟国のイタリアとオスマン帝国が参戦しました」
将軍「ルーマニア…これは勝てないだろう。相変わらずドイツとの同盟を頼りに自殺行為な戦争を始める国だな…」
シロツグ「いよいよ戦勝点が90%を超えました」
将軍「…Acquire East Switzerlandというのが見えるが…」
シロツグ「ああ、それはドイツが追加したWarGoalです」
将軍「ふむ。ドイツの要求ならば聞いてやりたいところだ」
シロツグ「いつの間にかアフガニスタンにまでソ連軍が侵攻していたので、これを殲滅します」
将軍「うん?? どういうことだ? その手前にポルトガル領があるだろうに??」
シロツグ「不思議ですね。ただ、わが国はソ連領を1プロビも占領状態にしていませんが、アフガニスタンは占領したことがありました。意外にそういったことが影響しているのかもしれません」
将軍「意外に人間くさいAIだな。復讐にきたということか」
シロツグ「南アメリカでも英国派遣軍がいました。ブラジル軍と死闘を演じています」
将軍「増援を派遣したのか?」
シロツグ「南アメリカ派遣軍1個軍団と、西アフリカの軍団2個軍団で英軍を攻撃します」
将軍「よし、作戦を開始しろ」
シロツグ「あ、待ってください。英国が和平提案をしてきました」
将軍「和平するつもりがある、ということか。Declineして、こちらから和平条件を提示するぞ」
シロツグ「要求による合計必要戦勝点は97で、英国は受け入れるとのことです」
将軍「ドイツのAcquire East Switzerlandの要求を満たしてやりたかったが、いくらなんでも98は盛りすぎだろう。なんでいつもこうなんだ、ドイツは…」
シロツグ「前回も50必要でしたものね…次ドイツが盟主のときはがんばってあげましょう」
将軍「よし、英国は戦争終了に合意した。こちらの陣営が要求し、向こうの陣営が受諾した項目は…読み上げろ」
シロツグ「はい。ギリシャによる西マケドニア要求、ポルトガルによるスマトラ、ジャワ、ボンベイ、マドラス要求、フランドルによるベルギーへの謝罪・賠償要求…です」
将軍「…フランドルの要求だけで41だったか。もっとほかの国も要求すればいいものを…」
シロツグ「またドイツの要求を聞けませんでしたね。嫌われたりしませんかね?」
将軍「うーむ。どうだろうな?」
シロツグ「領土に変更があったのはギリシャの要求を除くと、ポルトガルのアジア植民地要求です。スマトラ、ジャワ、インドでポルトガル領が増加しました」
将軍「うむ。それにしても、政府と総省は先の大戦から10年もたたぬうちに次の大戦を始めるとは…。また次があるのだろうな」
シロツグ「そうなるんでしょうね…。とりあえず、各軍団の再編を行います」
将軍「さらに植民地軍の増強が必要になるかもしれん。わしは中央と折衝してくるぞ」
シロツグ「はいはい、いってらっしゃーい」
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